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「包装紙のサイズが足りない!」困った時に役立つアイデア

贈りものを包もうとしたら、「あれ?包む紙が足りない!」と焦ったことはありませんか。あなたがもしそんな状況に遭遇したら、あきらめずに少しの工夫で、最初から余裕があったかのような美しい仕上がりに変える方法があります。応急処置に見えない、上品でバランスの良い仕上げ方を一緒に学びましょう。

包む箱と用意した和紙2種類(白と紅葉柄)

今回のテーマ

今回は「包装紙のサイズが足りないとき」のコツをお伝えします。手元にある紙が2枚とも少し短く、単体では一周できない場合に、どのように二枚を継ぎ合わせ、切り落としや重ねを工夫して自然で美しい仕上がりにするかを紹介します。ポイントは次のとおりです。

  • 紙を継ぎ足す位置や方向を工夫して継ぎ目を目立たなくすること
  • 箱の中心や模様の出し方を考えて、視覚的にバランスを取ること
  • 両面テープやカッターでの微調整で仕上がりを整えること

用意するもの(材料と道具)

今回紹介するのは和紙を使ったラッピングですが、基本はどんな紙でも応用できます。用意すべきものは次の通りです。

  • 包む箱(サイズに合ったもの)
  • 和紙や包装紙 2種類(色や柄が違うものが望ましい)
  • カッターまたははさみ
  • 両面テープ(細め・幅広めどちらでも可)
  • 定規(あれば)と鉛筆
  • リボンや水引などの飾り(仕上げ用)
和紙の柄は紅葉柄と生成(しわしわ)の組み合わせ

準備:寸法の確認と紙の状態を把握する

まずは焦らず、包む箱と手元の紙の寸法を確認します。あなたは箱を回して「この紙で一周できるか?」を判断する必要があります。今回の状況では、紙2枚とも単体では足りないけれど、二枚を継ぎ合わせればちょうど包める、というケースです。

確認ポイント:

  1. 箱の一周の長さ(周囲)を確認する。余裕を見て+2cm程度が理想。
  2. 上下(箱の天面と底面)で必要な余白も確認。紙を折って動かせるために上下はそれぞれ2cm程度余裕が欲しい。
  3. 紙の模様や柄の向き、もしくは和紙の質感(しわ、もみ)をチェックして、どの部分を表に出したいかを決める。
カッターと両面テープの準備

方法1:紙を継ぎ合わせて一枚の“大きな紙”にする

紙が足りないときの基本テクニックは「継ぎ合わせる」ことです。継ぎ合わせ方を工夫すれば、継ぎ目が目立たず、最初から一枚で包んだように見せることができます。以下が実際の手順です。

手順

  1. 短い方の紙の端を1cmほど切り落とす(重ねやすくするため)。
  2. 切り落とした側に両面テープを薄く貼る。長さは継ぎ合わせる幅より少し長めに。
  3. もう一方の紙を合わせて、重ねしろを均一にして貼る。凹凸が出ないように、空気を抜きながらゆっくり貼っていく。
  4. 継ぎ目が落ち着いたら、整形のために軽く手で抑える。

ポイント:継ぎ目を目立たせたくないときは、柄の境目が自然に見える位置で継ぎ合わせること。今回は和紙の柄(紅葉)と生成のしわ紙を組み合わせ、継ぎ目を模様の切れ目に合わせて目立ちにくくしています。

短い紙同士を両面テープでつなげている様子

方法2:箱に合わせて紙を切り出す(余分を落とす)

継ぎ合わせたら、次は箱にフィットさせるために必要な部分だけを残して余分をカットします。ここでは“上下で必要な長さ”と“周囲の長さ”を意識します。

手順

  1. 継ぎ合わせた大きな紙を箱の上に置き、模様が出る面を確認する(見せたい柄が中心に来るか)。
  2. 箱の両端から、上下の余白が2cm程度残るように紙を折り返す位置を決め、鉛筆で軽く印をつける。
  3. 側面の「はみ出る余分」や、エッジが不自然になる箇所をカットする。今回は、箱周囲+2cmの長さに合わせてカットしています。
  4. カット後、再度箱に合わせて紙の中央位置や模様の出方を微調整する。
箱に合わせて紙を回し、余白をチェックしているところ

方法3:両面テープで仮止め→中心合わせ→本貼り

紙を箱に固定する際は、まず仮止めをして位置を確認すると失敗が少ないです。特に継ぎ合わせがあるときは、位置ずれが目立ちやすいので慎重に。

手順

  1. 箱の高さに合わせて、側面に沿うように両面テープを貼る(上下の折り返し部分まで届く幅で)。
  2. 片側のリリース紙(両面テープの剥離紙)を半分だけ剥がし、箱の中心に合わせて紙を貼り付ける。中心を意識することで左右均等になる。
  3. 次に反対側のリリース紙を剥がし、ゆっくりと紙を張り合わせていく。継ぎ目が中央に来ないように気をつける。
  4. 全体の位置が決まったら、上下の折り返しを折り込んで角を整える。
両面テープのリリース紙を剥がして貼り付けている場面

角の処理:上下の折り返しと山の合わせ方

角の折り方で仕上がりの印象は大きく変わります。和紙ならではのしなやかさを生かし、山の頂点(折り目)がまっすぐになるように心がけましょう。

コツ

  • 折るときは一度“折り筋”を決めてから折る。ずれるのを防げます。
  • 左右の山の頂点がそろうように、山と山のラインを揃えて折る。
  • 厚みがある紙の場合は、角に余分な紙がたまらないように少し切り込みを入れてから折るときれいに収まります。

デザインの工夫:柄の見せ方と“後ろ(背面)の飾り”

今回のラッピングでは、前面を1/3の位置で柄を見せるバランスにしました。あなたが写真を撮るときや正面から見せたい面を決めると、背面の継ぎ目や余りの処理を気にしなくて済みます。

いくつかのアレンジ例:

  • 前面を中心にする:前面中央に一番見せたい柄を合わせ、背面は継ぎ目が来るようにする。
  • 前面を1/3の位置にする:写真映えやギフトの見栄えを意識するなら、前面を少しずらして模様を見せる。
  • 背面を飾る:背面に小さな紙片を追加してアクセントにしたり、水引やリボンで継ぎ目を隠す。
前から見たラッピングの完成形(T字のような見た目)

飾り付けのアイデア:リボン、水引、花材の合わせ方

包みがきれいに決まったら、最後は飾りで個性を出しましょう。和紙の落ち着いた雰囲気には、水引や麻紐、ワックスコードがよく合います。

  • 水引:和の雰囲気を強調したいときに。色は紙の色に合わせてワンポイントに。
  • リボン:カジュアルさを出したい場合は、シンプルな布リボンが◎。
  • 葉物/ドライフラワー:季節感を出すなら小さな葉やドライフラワーを差し込む。

ポイントは「紙のテクスチャーと調和させる」こと。和紙ならではのしわ感や厚みを大切にして、軽やかな装飾を選ぶと全体が上品にまとまります。

仕上げに水引やリボンをつけた完成写真

よくあるトラブルとその対処法

ラッピング中に起こりがちなトラブルと解決方法をまとめます。慌てずに一つずつ対処すれば、美しい仕上がりになります。

1)継ぎ目が目立ってしまう

対処法:継ぎ目を模様の切れ目に合わせる、または背面に寄せる。どうしても目立つ場合は、継ぎ目上に細いリボンや紙片を貼りアクセントにすると自然に見えます。

2)角が膨らんでしまう

対処法:角部分に小さな切り込みを入れてから折る。余分な紙を少量カットしてから折ると収まりが良くなります。

3)紙が破れそうで心配

対処法:和紙は繊細なものが多いので、折りやすいように最初に“折り筋”を作る。強く引っ張らず、ゆっくりと位置を合わせながら貼ること。

4)模様がうまく出ない

対処法:最初の段階で「正面」の候補をいくつか作って比較する。写真を撮ってみると最適な位置がわかりやすいです。

アレンジ例:複数の紙を使った遊び方

紙が余っているときは、あえて複数の紙を重ねてデザインの一部にするのもおすすめです。ここではいくつかの遊び方を紹介します。

  • 背面に短めの紙を重ねて、幅の違いで段差を見せる(奥行きが出ます)。
  • 中心の模様を目立たせるために、周囲を生成や無地で囲むように貼る。
  • 紙の方向を変えて模様の“流れ”を作る。桜の柄なら樹のシルエットを連想させるように広げるなど。

どれも「最初に試してみる→全体を見る→微調整する」を繰り返すことで、失敗なく仕上げられます。あなたが楽しみながら組み合わせを考えるのが一番のコツです。

写真を撮るときのコツ:ラッピングを映えさせる視点

完成したラッピングを写真に残したいときのポイントです。あなたが贈り物をSNSなどで見せたい場合、次の点をチェックしてください。

  • 光:自然光で柔らかく撮ると和紙の質感が伝わりやすい。
  • 背景:シンプルな無地の背景が紙の色や模様を引き立てます。
  • 角度:正面、少し斜め上から、側面の3アングルを試して好みの一枚を選ぶ。
  • ディテール:継ぎ目や水引の結び目など、細部のアップも忘れずに撮影。

まとめ:少ない紙でも「贈る想い」を美しく伝える

包装紙のサイズが足りないというピンチは、ちょっとした工夫でチャンスに変わります。継ぎ合わせや切り方、飾り付けのバランスを考えれば、最初から完璧に用意していたかのように見せることができます。和紙を使えば落ち着いた雰囲気になり、相手にも丁寧な印象を与えられます。

ポイントをおさらいします:

  • 箱のサイズを正確に把握する(周囲+上下の余白を確認)
  • 紙を継ぎ合わせるときは重なりと模様の位置に注意する
  • 両面テープで仮止め→中心合わせ→本貼りの順で行う
  • 角の折り方や余分な紙の処理で仕上がりが大きく変わる
  • 飾りと写真の撮り方で、さらに印象を高めることができる

最後に:ぜひ試してみてください

あなたも手元の紙2種類で、ぜひ今回紹介した方法を試してみてください。最初はうまくいかないこともありますが、何度か繰り返すうちにコツが掴めます。継ぎ合わせや模様の出し方は自由にアレンジして、自分だけの和紙ラッピングを楽しんでください。

使用した和紙は、もし手元にないなら販売店で取り寄せが可能です。和紙独特の風合いを活かしたラッピングは、あなたの贈る想いをより豊かに伝えます。

ご覧いただきありがとうございました。あなたのラッピング時間がより楽しく、美しくなりますように。

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