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端紙で作ろう「ブックマッチ型メッセージカード」

今回はギフトに添えるメッセージカードを作ります。 いまはすっかり姿を消した昭和レトロな「ブックマッチ」をご存じですか? 一定の年齢の方には「あったよね~!」と 喜んでもらえそうですし、若い人には「なにそれ?」と新鮮に映るのではないでしょうか。 開け閉め自在の形がメッセージを大切に守ってくれます。 面白い形としくみを生かして、ここくる先生がメッセージカードを考えてくれました。 では一緒に作ってみましょう!

この記事のアウトライン

  • イントロダクション:ブックマッチってどんなもの?背景と魅力
  • 用意する材料と道具(おすすめの紙・印刷設定)
  • 作り方ステップ(印刷→貼り付け→切り出し→折り→ホチキス止め→メッセージ記入)
  • よくある失敗と対処法(気泡、ずれ、ホチキス位置など)
  • 応用アイデア:デザインバリエーションと贈り方の例
  • まとめと購入先の案内

なぜブックマッチ型メッセージカード?──昭和レトロの魅力をギフトに

ブックマッチは、喫茶店や飲食店で配られていた小さな差し込みタイプのマッチです。パカッと開けると、紙で作られたマッチ本体(のように見える部分)が並び、マッチをする部分が外側にある独特の構造が特徴でした。年上の方に贈れば「懐かしいね!」と会話が弾み、若い人に見せれば「これ何?」と興味を引く、世代を超えた驚きを演出できます。

この形をメッセージカードに応用することで、「開ける楽しみ」と「メッセージを大切にしまっておける」二つの価値が生まれます。通常のカードよりも手に取った瞬間の驚きや楽しさが強く、贈り物としての印象に残りやすくなることでしょう。

ブックマッチの実物イメージ(蓋を開けたところ)

用意する材料と道具

基本的な材料はシンプルです。

  • インクジェットシール(ワッフル:白、A4サイズ):表面が凹凸(ワッフル)になったタイプを使うと、レトロ感が出ます。印刷の発色が良いのでおすすめです。
  • 厚紙(手持ちのA4厚紙1枚):カードの丈夫さを決めます。色画用紙やボール紙以上の厚さがおすすめですが、手持ちの厚紙でも問題ありません。
  • ホチキス(ステープラー):中綴じするために使います。針の長さに注意してください。
  • はさみ:細かいカットに使います。切れ味の良いものを用意してください。

代替材料:

  • インクジェットシールの代わりに普通のインクジェット用紙+両面テープで貼る方法でも可能。ただし凹凸感や仕上がりの質感は変わります。
  • ホチキスの代わりに小さな糸やリボンで結ぶ方法もあります(より手作り感が強くなります)。
ワッフルタイプのインクジェットシールの凹凸クローズアップ

印刷時の注意点

インクジェットプリンターで印刷する際のポイント:

  • カラープロファイルと紙設定:プリンターの用紙設定を「普通紙」や「光沢紙」ではなく、「インクジェットシール/ラベル」や使用する紙に合わせた設定にしてください。発色が安定します。
  • 解像度:300dpi以上が望ましいです。細かい文字や装飾も綺麗に出ます。
  • 余白とサイズ:今回は大体12cm程度のブックマッチを作成する例を示しましたが、サイズは自由です。印刷デザインはA4内に複数配置できます。
  • 試し刷りを行う:実際に貼る前に普通紙で試し刷りをして、サイズや位置を確認してください。
A4に印刷されたブックマッチデザイン(複数並べ)

作り方

ここからは実際の手順を詳しく説明します。

ステップ1:デザインと印刷

  1. 作りたいデザインをA4サイズ内に配置します。複数作る場合は並べて配置しましょう。今回は12cm幅くらいのものを2つ印刷しました。
  2. プリンターで印刷します。色の出方を確認するため、まずは1枚だけ印刷してみると安心です。
  3. 印刷が終わったらインクが乾くまで数分待ち、指で軽く触れて付かないか確認してください。

ステップ2:シールをはがして厚紙に貼る

  1. インクジェットシールのはくり紙を一枚ずつゆっくりはがします。はがすときは角を少しずつ引っ張るとずれにくいです。
  2. 厚紙に対して位置を決め、片側からゆっくり貼っていきます。気泡が入った場合はへらや指の腹で内側へ押し出すようにして平らにしてください。
  3. 大きめに貼ってから、余白をカットして形を整えます。
インクジェットシールを厚紙に貼る作業風景

ステップ3:カットして形を整える

はさみで周囲を切り取ります。角を丸くしたい場合は丸くカットしてください。シンプルに四角のままでもレトロな雰囲気が出ます。

  • 外枠を切るときは、印刷のラインに沿ってていねいに切ります。
  • 細部の切り残しがないように注意して、カッターを使う場合はカッティング・マットなどを敷いて作業してください。

ステップ4:折り位置を決めて折る

ここがブックマッチ特有の形を作る重要な工程です。動画と同じように上部が「擦る」部分、下部が「マッチの束を挟む」部分のイメージで折ります。

  1. 上部をだいたい1cmの位置で折ります。これは擦る部分のイメージになります。
  2. もう一箇所、下側にマッチ本体がはさまる程度の折り位置を作ります。下側の折りは、実際にカードを差し込んだときに適度に留まる深さにします。
  3. 折り目は定規やヘラでしっかり付けると開け閉めが滑らかになります。
上部を1cmで折る作業のクローズアップ

ステップ5:中にカードを入れてホチキスで留める

ブックマッチの中に一枚のメモ用紙やメッセージカードの本体を入れ、真ん中より少し下の位置でホチキス止めします。

  • ホチキスは上の方で留めすぎるとフタが閉まらなくなるので、必ず真ん中か真ん中より少し下に留めること。
中身を挟んでホチキスを留めるところ

ステップ6:メッセージを書いて仕上げる

最後に蓋を開けて中のカードにメッセージを書きます。画像のようにカードを開くと、中にしっかりメッセージが隠れていて、開ける楽しみがあります。

  1. ペンはゲルインクや油性の細字がおすすめです。和紙の表面によってはにじむことがあるので、軽く試し書きしてから書いてください。
  2. 短めのメッセージでもOK。開けた瞬間に伝えたい言葉を一言添えるだけで印象的になります。
  3. カードを本体に戻して贈り物に添えましょう。
完成したブックマッチ型メッセージカードをギフトに添える様子

よくある失敗

気泡やズレが入ってしまった

貼る際に気泡やズレが入ってしまったら、気泡は中心から外側へ指で押し出すと軽減できます。大きなズレは剥がしてやり直すことが可能ですが、シールの粘着力が弱くなる場合があるので注意してください。粘着力が落ちた場合は両面テープで補強しましょう。

ホチキスが上すぎて蓋が閉まらない

一度留めた針は外すのが難しいので、初めから真ん中より少し下を目安に留めること。どうしても位置を直したい場合は、ホチキスを慎重に外し、針穴を目立たなくするために余分な紙で裏側を補強してから再度留め直してください。

印刷がにじんだ・色がくすんだ

プリンター設定と用紙の相性が原因です。印刷前に用紙種類を設定し、インクの乾燥を十分に取ってください。デザインにより必要なら発色の良い別の用紙タイプを試してみましょう。

デザインと贈り方のバリエーション

このブックマッチ型メッセージカードは形が面白いので、用途に応じてデザインを変えるだけで幅広く使えます。あなたの贈るシーンに合わせて以下のアイデアを試してみてください。

1. 結婚式の席札やメニューに

小さなメニューカードやゲストへのメッセージを内蔵して、席に置くとサプライズ演出になります。和紙の質感で上品にまとめると和風の式にも合います。

2. バースデーカードやちょっとしたプレゼントに

バースデーお祝いの一言を中に忍ばせ、プレゼントのリボンに通して添えれば記念に残るカードになります。カラフルなデザインにすると若い世代にもウケるかも。

3. カフェやショップのノベルティに

小さなショップ名やメニューを印刷して配布すれば、昭和レトロな「話題になる」ノベルティになります。来店記念やキャンペーン用に最適です。

4. 手作り感を出すラッピングと組み合わせる

和紙で包んだギフトにこのカードを差し込めば、統一感のあるラッピングになります。水引や小さなスタンプを押して仕上げると、より特別感が出ます。

5. 子どもの工作アイデア

お子さんと一緒に作る場合は、刃物を使う工程を大人が担当し、デザイン塗りやメッセージを書く部分を子どもに任せると、安全で楽しい工作時間になります。

素材選びのヒント:和紙を使うときのコツ

和紙を使う場合、独特の繊維と凹凸が魅力ですが、吸水性が高いためインクがにじむ場合があります。和紙を印刷に使うときのポイントは以下です:

  • 和紙に印刷する場合、プリンターの設定を慎重に。カラーは少ししずみがちなので、華やかなカラーを生かしたいデザインなら、コーティングされたタイプ(インクジェットコート紙)を使う。
  • 和紙のテクスチャーを活かしたいときは、文字は太めのフォントを選ぶと読みやすくなります。
  • ワッフルタイプのシールを使うと、和紙の雰囲気に近いレトロ感がでます。

今回の材料(インクジェットシール・和紙など)は、土佐和紙のLadyRisa YouTubeストアで購入できます。

あなたの「贈る想い」を形に

このブックマッチ型メッセージカードは、形と仕掛けが人の心を動かします。ちょっとした工夫と手間が、贈り物を特別なものに変える力を持っています。あなたが選んだ言葉を、レトロな形でそっと包んで贈ってみてください。相手の驚きと喜びがきっと返ってくるはずです。

「開ける楽しみ」と「メッセージを守るかたち」──その二つがこのカードのいちばんの魅力です。

もし作り方や材料でわからないことがあれば、購入元や製作者に問い合わせるか、もう一度この手順に戻ってゆっくりやってみてください。あなたのラッピングが、想いを上手に伝える手助けになりますように。

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